日本磨き合い通心5月号「地球環境破壊と水不足」

 1年の中でも最も良い季節かもしれない5月です。

行楽シーズン、日常を忘れた時間は取れましたでしょうか。


昨年の5月号で地球の水について、

真水は全体の2.5%程度で、そのうちの70%は氷山や氷河で30%は地下水になっているということで書きましたが、これで100%になってしまいます。

それは、それほど少ないということで、水道として使える川や湖の水は地球全体の0.3%しかなく、海水を含めて考えてみると0.01%もありません。


今、世界の人口は増加傾向にあるので、このままですと生活のためだけではなく、食料を作るためや工業製品を作るためにも大量の水を使うので、水不足が懸念されています。


水は地球の歴史46億年から35億年の間に作られたそうです。

星屑などが激突して、ガスや水蒸気がはじき出されて原子大気と一緒に作られたと言われています。

つまり大気と海が同時に作られ、

そして循環していたということです。

今現在の地球上の空気と水はこの時に作られたものがほぼ100%(生物の進化や化学変化により元素は変化します)です。

その後、少しは火山で水蒸気が作られる事はあっても変わっていません。

この地球上の水は、地球誕生から今日まで、このときの1回だけしか生成されていません。

だから水は有限で汚さないようにしなければならないし、無駄に使って不足させないようにしたいものです。


20世紀最大の環境破壊と言われてる旧ソ連の綿花栽培生産のために国家プロジェクトとして行ったアラル海の灌漑農業は有名です。


1950年あたりまでは世界4番目に大きな湖で(琵琶湖の100倍)、カザフスタンとウズベキスタンの国境にありますが「消えた湖」と呼ばれています。

それまでは漁業も盛んで、魚も取れ農業もできたので、乾燥地域の大きな

オアシスでした。

このプロジェクトで農業ができない、

アラル海は砂漠のようになり、湖も塩分が濃くなり、風が吹くと塩分を含んだ風で町や村、畑にも降り、魚はいなくなり、農作物は育たず、広範囲にわたり、生態系が壊されてしまいました。

井戸も枯れ、人間にも鼻や喉の病気、喉頭癌が増えたそうです。

空気が汚れただけでなく、飲み水も汚れて、いろいろな病気が多発することになったのです。


同様なことがアラル海ほどではなくても、世界各地で起きています。


アメリカ西部の地下水を使った灌漑農業も塩分が濃くなり同じようなことが

起こっています。

地下水も無尽蔵にあるわけではないので、工業や農業のために大量に組み上げていたらいずれなくなってしまいます。


森林や植物の減少を世界規模で見てみると、1年間で1,000万ヘクタール、世界森林面積の0.2%、約北海道の1.2倍、日本全体の約26%、1秒でテニスコート15面分が失われています。
森林の持つ役割は、先月号にも載せましたが、


①二酸化炭素の吸収(光合成)
②生物多様性の保護(生命の循環)
③水資源の保全(緑のダム)

なのですが、日本では目の前にあまり現れていないことなので、考えにくいことかもしれません。

しかし、森林の減少は二酸化炭素の排出量の増大につながっています。

日本では京都議定書で認められたということで排出権をを購入しお金で解決しようとしています。

ヨーロッパでは実際に減少させる方策を取っていますが、日本の産業界は減らすことに熱心ではなく減らすどころか増えています。(原発推進が根底にあるからだと思います)


私たち清掃業者はこんな大規模なことに関係付ける事は難しいかもしれませんが、私たちは目の前の汚れを落とす洗剤や水の量に気を配りながら、少しでも地球上の一員として貢献できることを探ることによって効率の良いクリーニング方法の開発ができるものと思います。

水と生命の環境を意識したクリーニング方法が見つかれば、コーティングも含め建物の維持に大きな変化をもたらされるのではないかと思います。