日本磨き合い通心7月号「無断排水は法律違反」

「日本磨き合い通心」とは
『日本を磨く会』が会員様向け(主に清掃業者様向け)に毎月発行している会報です。

弊社では、毎月原稿を協力しております。

ご興味のある方は、日本を磨く会HPをご覧下さい。


それでは、7月号の内容です。

もう7月ですね。
今年も残すところ半年を切りました。

40年ほど前はこの時期東京でも
「梅雨寒」というのがあり、
しとしと雨の日が続いて夏だと言うのに暖房を入れることもありました。

本当に変わりました。
気候の違いを感じます。

 先日、同業者の方に
「掃除の時汚れた水を捨てると俺たち責任はあるの?」と質問され、
前回の水再生センター施設見学から数回同じような質問がきて、
排水問題・環境問題への意識の高まりを感じました。

皆様はご存じの事と思いますが、
今回改めて確認整理してみました。

先程の質問に私は「あるともないとも言えます」と答え、
ケースによって変わる事を説明し、
「業務委託契約などで、事前に決めておいた方がいいです」とお話しました。

一般的に清掃に関する排出事業責任者というと、
事業所の設置者や管理者なので、
清掃業者はその責任はありません。

清掃の際に発生する廃棄物は
その事業所上にあった廃棄物ゴミや汚れを移動させて集中させただけなので、
清掃業者が発生させたものではないので
ビルの所有者や管理者が排出事業者となります。

メンテナンス契約において、
産業廃棄物排出事業者、
責任や費用負担をあらかじめ定めておく必要があるかと思います。

同じ液体でも雑巾やモップで水拭きしたものや、
清掃業者が持ち込んだ洗剤の割合が少なければ
排出事業者は事業所の所有者や管理者と判断します。

しかし、清掃廃液が強酸、強アルカリ
あるいは洗剤を多量に使った場合には、
清掃廃液の方が課題になり清掃業者が排出業者と認められ
「産業廃棄物として適正な処理をすることを求める」
という自治体が増えてきております。

繰り返しますが、
単純な掃き掃除や相応の技術が求められるレベルの「清掃」でも
清掃で集められる廃棄物の排出者は、
施設の所有者や管理者であるとまずは考えるべきですが、
清掃業者が持ち込む液剤の方が質、量的に主である場合の清掃廃液等は、
清掃業者が排出者と考えられるケースもあるという事になります。

汚水をそのまま排水溝に流すと
環境基本法から水質汚濁防止法、下水道法、産廃物処理法等に違反する可能性が高いので、
清掃業者が責任を問われるケースが出てきました。(事例有り)

・罰金・懲役  (5年以下または1,000万円以下法人最大3億円)
・業務停止命令や行政指導

事業所にリースされている車等を清掃した場合には、
事業所、リース会社、清掃業者の3社がそれぞれ排出事業者になるので、
事前に決めておいた方が良いでしょう。

一般家庭からの排出も同じようになり、
廃棄物の適正処理は今や必須になってきたのではないでしょうか。
当然、環境への影響も大きく、強アルカリや油脂を下水や河川に流すと、
生態系のダメージが大きく、浄化処理、施設の能力低下にも影響します。

無断排水は法律違反であり、依頼主も共犯者となる場合もあります。
清掃業者は処理が適正安全である説明や排水先の確認、
中和処理や前処理、フィルターや油水分離マット、
回収しての産廃処理などが求められていると思います。

詳しくは、環境省 水・大気環境局へ → こちら

[別]

建築物衛生法における建築物環境衛生管理基準の一つとして、
事業所は(零細でも)清掃は日常行うもののほか
大掃除を6ヶ月以内ごとに1回定期に統一的に行うことが定められていました。

 労働安全衛生法の事務所衛生基準規則第3章第15条から → こちら